Forbidden Love
「この世には形では証明出来るもの…出来ないものがある。

ワシたちは証明出来ないものに従うしかないのだ…」



『俺は御免だ。
そんなものに揺るぐことなどしたくない』



フォッフォと小さく笑う長官。


「人間……天使はみな逃げられないのじゃ」



『……ぁ…』



俺は並べられた棚の中のある玉に目が入った。



「気になるか、あの“亀裂の入った”玉が?」



俺はコクリと頷く。



「この玉たちは“禁碧石”(キンペキセキ)と呼ばれ、

絶対割れることなどない」


『しかし…あれは…』



長官は手をそれに伸ばす。


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