[完]愛しいキミは♂大親友♀ 〜女装男子の悩める日々〜
ACT-5 セッキン

あんずside

     ★★★★★



朝からもう、体が綿毛に
なっちゃったみたいに、
フワフワ浮いてる感じがする。



精一杯のオシャレをして、
待ち合わせの時間に駅前に
来たけど……なんか、
これって現実かな、って。



亜希に『寝ぼけてんじゃないの』
って言われた時は、違う
なんて即答したけど――

今になって、あたしも段々
夢なんじゃないかとすら
思えてきちゃったよ。



(けど……夢じゃないん
だよね……)



あたしはハッと思い出して、
肩から斜めに下げたバッグに
そっと手を添えた。


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