[完]愛しいキミは♂大親友♀ 〜女装男子の悩める日々〜
グッと気合いを入れて
両手を握りしめた時、急に
強いビル風が吹いた。
「あっ………!」
頭にチョコンと乗せる
ように被ってたカンカン帽が、
風にあおられて飛んじゃった。
地面を転げた帽子は、
近くで立ったまま雑誌を
読んでる男の人の足元に止まる。
「す、すみません〜」
帽子を拾ってくれてる男の
人に慌てて駆け寄って、
ペコッと頭を下げた。
「………いや。ハイ」
サングラスをかけたその
男の人は、無愛想な声で
帽子を突き出し――
あたしが受け取ると、また
すぐに雑誌に目を戻す。
_
両手を握りしめた時、急に
強いビル風が吹いた。
「あっ………!」
頭にチョコンと乗せる
ように被ってたカンカン帽が、
風にあおられて飛んじゃった。
地面を転げた帽子は、
近くで立ったまま雑誌を
読んでる男の人の足元に止まる。
「す、すみません〜」
帽子を拾ってくれてる男の
人に慌てて駆け寄って、
ペコッと頭を下げた。
「………いや。ハイ」
サングラスをかけたその
男の人は、無愛想な声で
帽子を突き出し――
あたしが受け取ると、また
すぐに雑誌に目を戻す。
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