[完]愛しいキミは♂大親友♀ 〜女装男子の悩める日々〜
風見はごまかすように笑って、
二人はまた歩き始めるけど――

少しするとまた、今度は
手を繋ごうと風見の指先が
蛇のように怪しく動き出す。



(またかよっ)



シュッッッ。

――今度は消しゴムを
お見舞いだ。



「いたっ」



「えっ? 先輩っ!?」



大きな声だったんで、二人が
驚くのが聞こえてくる。



「どうしたんですか?」



「いや……さっきから何かが
オレに当たって……」



「何か……?」



ボールも消しゴムも、
小さいから人ゴミにまぎれて
どっか行っちまってた。


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