[完]愛しいキミは♂大親友♀ 〜女装男子の悩める日々〜
さっさと回収して立ち
去ろうとするが、その時
あんずがアッと小さく
声をあげて、



「あなた、さっきの……」



(……チッ。
やっぱ覚えてたか――)



さっきよりにもよって、
あんずがオレの足元に帽子
なんて飛ばすから。



あの距離で素ムシも
できねーし、男のカッコで
顔隠してんだからこの程度は
大丈夫だろうって、拾って
やったのがアダになったな。



(けどまぁいい。

この状況でオレが陵だなんて、
オトボケあんずにゃ思い
浮かびもしないだろ)


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