[完]愛しいキミは♂大親友♀ 〜女装男子の悩める日々〜
「――どうした、白石?」



オレを女生徒として扱う、
表面上の態度だ。



けどオレはピシャッと
ドアを閉め切って、室内
にも誰もいないのを確認
すると、地声で言った。



「今日はそれはいい。

急いでんだ。悟、服貸せっ」



「………はぁ?」



ワンテンポ遅れて返って
くる、間延びした疑問の声。



「はぁ、じゃねーっ。

お前、いつもここに私服
いくつか置いてんだろ。

それを貸せって言ってんだよっ」



早くしねーと、あんずが
帰っちまうかもしれねー
じゃねーか。


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