[完]愛しいキミは♂大親友♀ 〜女装男子の悩める日々〜
人気がほとんどなくなり、
一気に静けさの訪れた公園。



……オレはためらいがちに、
あんずの隣に腰をおろした。



(マジでよく寝てんな……)



さっきの子供の大声にも、
少しも反応なかったもんな。

オレが座ったくらいじゃ、
気づきもしないか。



「……………」



垂れ下がる長い髪の隙間
から覗く寝顔を、見つめてみる。



いつも愛くるしいどんぐり
眼を彩ってる長いまつげが、
目をつむってるせいで
さらに印象的だ。



西日が暑いのか、頬は
少しだけ紅潮して、ほのかな
ピンクに色づいてる。


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