[完]愛しいキミは♂大親友♀ 〜女装男子の悩める日々〜
あたしは春香に手を振って、
一人で教室を出た。



10月に入ってだいぶ涼しく
なった外を、一人で
歩いてると……



「――あんずちゃん!」



ふいにかかった声に、
あたしはドキッとして顔を
あげる。



ここは、こないだ入った
あの公園だ。



そしてあたしの名前を
呼んだのは、予想どおり、



「太郎さん!」



太郎さんが、前に座った
のと同じベンチから、
垣根越しに手を振ってた。



「やほー。また会ったな」



「こんにちわ。

どうしたんですか?」



「別にどうも。

いい天気だから、ここで
本読んでたんだ」


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