[完]愛しいキミは♂大親友♀ 〜女装男子の悩める日々〜
だけど陵にもやっぱりそれは
簡単に答えられることじゃ
なかったのか、電話の向こう
から聞こえてきたのは
歯切れの悪い声だった。



『どう思うって言われても……
あたしには……』



「わかんない?」



『そりゃわかんないわよ。

だって、山田さんが気に
なるのはあんずでしょ』



「そうだけど……。

それじゃあ、まだあんまり
会ったこともないのに、
すぐに好きになっちゃう
ことがあるかどうかは?」



『それは―――…』



そこで一度、陵の声は途切れた。


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