[完]愛しいキミは♂大親友♀ 〜女装男子の悩める日々〜
どうしたのかと心配になる
ほど、かなり長い不自然な
沈黙が流れる。



さすがのあたしも痺れを
切らして何か言おうとした
時、陵はようやく小さな声で、



『それはきっと人それぞれ
だろうけど――

でもあたしは、あると思う。

例えば、出会った瞬間に
感じた直感とか。

そういうところから始まる
恋だって、きっとあるん
じゃないかな――』



「出会った瞬間に、
始まる恋――…」



あたしは不思議な思いで、
陵の言葉をそのまま繰り
返してみた。



本当にそんなことあるの
かなって思いつつも、
なんか陵の言葉に妙な
説得力を感じちゃう。


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