[完]愛しいキミは♂大親友♀ 〜女装男子の悩める日々〜
一瞬の出来事だ。



浮いたプレゼントはすぐに
重力を失い、女子達が群がる
その足元に、落ちた。



「やっ……ごめんなさいっ、
どいてっ……!」



あんずが必死で背中を
丸め、落ちたプレゼントを
探そうとする。



でも満員電車みたいに
なってるあそこで、そんなの
なかなかできたことじゃない。



あんず一人、流れに逆らって
動こうとしてるから、周り
からは怒りの声まで飛び出した。



「ちょっとぉっ、邪魔っ!

何モゾモゾしてんのよっ?」



「渡したならどいてよっ。

あんた1年でしょっ、
図々しい!」


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