[完]愛しいキミは♂大親友♀ 〜女装男子の悩める日々〜
「ち、違うんです……っ、
あの………っ!」



テンパってるあんずは
ちゃんと説明もできず、
地面を気にしてオロオロ
するばかりだ。



「あんず……!」



そのうちに、風見と共に
人だかりは校舎側へと移動した。



風見もあんずのことなんて
見てもいない。



過ぎた嵐の跡には――
踏まれてグチャグチャに
なったプレゼントとあんず
だけが、ポツリと残った。



(あぁもう、くそっ)



――見てらんねー。



色んな意味で手伝いは
しないって言ってたけど、
オレはそんな意地もかなぐり
捨ててあんずに駆け寄る。


_
< 69 / 257 >

この作品をシェア

pagetop