[完]愛しいキミは♂大親友♀ 〜女装男子の悩める日々〜
「何してんのあんずっ、
さっさと追いかけなよっ」



プレゼントを拾って汚れを
払い、呆然としてるあんずに
押しつけた。



だけど、あんずは――…。



「で、でも……
こんなにグシャグシャに
なっちゃった……」



震える声で呟くだけで、
受け取ろうともしない。



「中は無事でしょ、割れ物
でもないんだから。

仕方ないじゃない、そう
言えばいいでしょっ」



『ほら早く、今ならまだ
間に合う』



そう言ってあんずの右腕を
引っ張る。



でもそのオレの腕に、
あんずは逆にヒシッと
しがみついてきた。


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