地味なあの子は鬼狩り少女 〜地味子の決意〜【改稿中】
私達が借りた部屋は、二名様専用の部屋でした。
つまり。
狭い部屋と薄型テレビとカラオケ機器が置いてあって、
部屋の真ん中に長椅子がひとつ、置いてあるだけ。
………ぇ、えっと。
長椅子に座ればいいんだよね?
だけど、長椅子に二人で座ったら龍真君との距離が近いわけで。
「ぇ、えぇ……?」
「………止まるな、入れねぇ」
「ふみゃ!?ご、ごめんなさいっ」
考え込んでたら、体の動きが完全に停止していたらしい。
後ろから着いて来ていた龍真君が低い声で促してきた。
私は慌てて部屋に入ると、荷物を床に降ろして長椅子の奥に座る。
……………なるべく、龍真君から離れるようにして。