地味なあの子は鬼狩り少女 〜地味子の決意〜【改稿中】
腕を強く引かれ、
龍真君の方を振り向かされ、
驚いた私を、
暖かさが包み込む。
あまりにも突然の行動すぎて、
……反応も、できない。
とりあえず分かるのは……
龍真君に抱きしめられるのは嫌いじゃないってこと。
「りゅ、龍真く………」
「……聴け」
話しかけようとした私の頭を胸に強く寄せる龍真君。
あったかくて固い、龍真君の胸。
そこに、ゆでタコみたいに真っ赤になった私の耳が当たる。
何を聞けばいいの?
思わず持った私の疑問は、次の瞬間に氷解した。