地味なあの子は鬼狩り少女 〜地味子の決意〜【改稿中】



「…………これで分かったか」

黙っていた龍真君が口を開いた。

龍真君の低くて深い声が、龍真君の胸で響いてビリビリと私の耳を揺さぶる。


「情けないけど、俺だって同じ。……余裕なんて無いし」


同じ。

龍真君も、私も。

別に不機嫌なわけじゃない。

緊張、してたんだ。お互いに。

分かった瞬間、


「…………ふふっ」


なんだか、笑みがこぼれた。

「……なんだよ」

龍真君の声がまたビリビリと響いて伝わってくる。

その振動が、なんだか心地好い。


「なんかね、……嬉しいのっ」

「……嬉しい?」

「うんっ!!」

私は頷くと、龍真君の背中に自分の腕を回した。



< 230 / 434 >

この作品をシェア

pagetop