地味なあの子は鬼狩り少女 〜地味子の決意〜【改稿中】
「…………これで分かったか」
黙っていた龍真君が口を開いた。
龍真君の低くて深い声が、龍真君の胸で響いてビリビリと私の耳を揺さぶる。
「情けないけど、俺だって同じ。……余裕なんて無いし」
同じ。
龍真君も、私も。
別に不機嫌なわけじゃない。
緊張、してたんだ。お互いに。
分かった瞬間、
「…………ふふっ」
なんだか、笑みがこぼれた。
「……なんだよ」
龍真君の声がまたビリビリと響いて伝わってくる。
その振動が、なんだか心地好い。
「なんかね、……嬉しいのっ」
「……嬉しい?」
「うんっ!!」
私は頷くと、龍真君の背中に自分の腕を回した。