地味なあの子は鬼狩り少女 〜地味子の決意〜【改稿中】
そのまま
ぎゅううっ、
と力を込める。
「龍真君っ」
「……………ん?」
「私ね、龍真君にぎゅうう、ってされるの好きかも」
「………さすが小動物」
「ふぇ?!なんでそうなるの?!」
「……なんとなく」
龍真君はそう言うと腕の力を少しゆるめて、私を見て笑った。
仏頂面の口元を、少し緩めて。
私は、『小動物』呼ばわりに少し膨れてたけど……笑った。
人といられる幸せ。
それってこういうことかな、って少し思った。
父さんと母さんがいなくなって…あまり感じなくなったけど。
人は、………と、言うよりも。
龍真君は、あったかくて。
幸せすぎて。
このまま時間が止まれば……なんて思ってしまう。