地味なあの子は鬼狩り少女 〜地味子の決意〜【改稿中】
「いや、なんか最近……私でもうるさく感じるくらいなんスよ。神無も頑張ってるんだけど、極限まで霊力使っても駆除しきれないくらいみたいで…」
心配そうな表情をした瑠美が、私の肩を労うようにポン、と軽く叩く。
――霊力があるにはあるけれど、感覚は一般人に近い瑠美。
そんな瑠美まで苦情を言う時は、周囲によっぽど多くの『鬼』がいる時だけ。
だから……
「……しょうがねぇな。瑠美ちゃんの感覚でそれなら」
「兄ちゃん、ありがとっ」
「ありがとうございます!!」
そういう時だけは、兄ちゃんは私の手伝いをしてくれるのです。
私は心の中で『ありがとう』呟きながら、『呪符』を取り出す兄ちゃんを見守ったのだった。