天使の笑顔で
明莉みたいに頭よくないし
運動も普通だからスポーツ選手は無理
医療関係なんて以っての外
数学と理科は赤点ギリギリだったしな
「涼君は何になるの?」
…………
「ヒーローになりたい」
「……あっそ」
呆れた表示を見せる明莉
まだ決まってないからな
「早めに決めなきゃダメだよ
大学でもいいんだから」
「んじゃ適当に大学でも行くか」
適当には行けないのはわかってる
俺はまだどこかで大丈夫
そう思っていた
自分の人生も
まゆのこれからも
少し気持ちが安易な気持ちでいた
安心しきっていた
俺はまだわかっていなかったんだ
まゆの余命は………
手術で伸びたわけではない
悪夢が来る時だった