天使の笑顔で
………………………
「……聞いたんだ」
「信じられないよ……」
可奈ちゃんの目には光る涙が
誰だって信じられないだろうな……
いつでも笑顔で元気なまゆだからこそ
信じられない…
「涼真君……強いんだね
私、どうしたらいいかわかんないからさ」
可奈ちゃんも知った時はそうだったんだ
辛くて逃げたいんだろう
でも、
まゆが頑張っているのに
俺らが逃げたら
まゆも乗り越えられるわけがない
「可奈ちゃん、」
「…………」
無言の可奈ちゃんに前を向いてほしい
だから俺は可奈ちゃんに言った
「まゆと一緒生きようよ
前をしっかり向いて
真っ直ぐ歩いてほしい
途中で右に倒れるか左に倒れるかなんてどうでも良いんだから
怖がらないで前向いて歩こう」
可奈ちゃんは涙を拭き
「そうだよね、
私も頑張ろ」
その表情から見ると
ちゃんと決心はついたようだ
しかし
その時はまだ心の余裕があった
医者からの言葉は
そんな余裕を隙間なく
不安で埋めつくした