たった1ヶ月の恋

あ、今更ながら思った。


あたし空飛んじゃってるけど大丈夫なの?

下にいる人たちには見えないの?


「ねぇ死神」

「ん、何?」

「あたし飛んじゃってるけどさ、下にいる人たちには見えてないの?」


まぁ今更だけど。

「あぁ、大丈夫。俺が海を人間に見えないようにしてるから」

何だ、そんな力も使えちゃうのかー、死神は。便利な能力だね。


「ふーん、そっか。」

「うん。はい、到着。」


朝もそうだったけれど、死神は凄い速さで飛ぶんだな。

5分も経たない内に家まで着いちゃったし。


「死神、あたし着替えるからちょっと待ってて。覗いたら切り刻むから。」

「はい、死んでも覗きません」
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