たった1ヶ月の恋
「何?」
余裕の表情のハチ。いつもとは立場が逆転しているけど。ハチ、楽しそうだなー…
「お前調子乗ってんな。急に何だよ、遠まわしな嫌味じゃねぇかよ。途中から全然覚えてねぇけど、グチグチ言ってたよなー。No.8のくせに生意気なんだよバーカ。お前少し怪我の治りが早いだけだろ。唯一のじまんってか? そうだよな、お前バカだもんな、俺と違って。悪いな、ハチ。お前より賢くて」
今度はイブが反撃。見たこともないようなドヤ顔だよ、イブ。ハチと同じように、息継ぎしなかったし(笑)
でもさ、2人ともそんなにムキにならなくてもいいでしょ。子供みたいだよ、喧嘩のレベルが。
「バ、バカって言う方がバカなんだぜ!」
そんな2人の言い合いを聞きながら、焼き上がったばかりのアップルパイを切っているあたし。
クリスマスぶりなんだよね、アップルパイ食べるの。作るの面倒だったから、なかなか食べれなくて。
「でもお前がバカなのは事実だろ。俺、バカじゃないから。成績優秀な秀才君だから。」
更なるドヤ顔。
何か、イブって最初来た時とのキャラの違いが凄いな。最初は、あんなに冷たかったのに。
今ではこんなドヤ顔をしちゃうくらいに……ね…(笑)
「バーカ、俺だって成績優秀なんだよ!」
サク、サク、とアップルパイが切れていく。いつまで続くのかな、この喧嘩は。