たった1ヶ月の恋
「お前が成績優秀? 笑わせんなよバーカ。お前は実技が得意なだけで、知識は全くねぇだろ。」
あぁ、ハチが知識ないってのは同感。
あれだよね、たまにクラスにいる運動だけ無駄に出来て、勉強は全くってやつ。ハチってそんな感じ。
切り分けたアップルパイをお皿に乗せて、そのお皿をリビングへ持って行く。いつもご飯を食べている机に置いた。
「海、そんなやつがクラスにいるの?」
あ、心読まれた。
「うん、ちょうどハチみたいなやつがいるよ。運動だけね、無駄に出来るの」
……………あれ、あたし何やってんの? 昨日から新学期始まったじゃん。あたし何で家に…
「今日学校あるじゃん! 忘れてたよ、普通に冬休み気分でアップルパイなんか作っちゃってるけど! 今日休み明けのテストなのに! あー、もう11時過ぎてる…絶対間に合わないー…」
昨日のことが衝撃的すぎて、新学期始まったことなんてすっかり忘れてた。まだ冬休み気分だったよ。
「あぁ、そういえば昨日から新学期だったよなー。でもさ、海が起きた時点でもう10時前だったよ。どっちみち間に合わねぇじゃん。」
まぁ、仕方ないか。昨日いつ帰ってたのかも、どうやって帰ってきたのかも知らないから。
「いいや、もう。明日から行く」