たった1ヶ月の恋

「俺はお前がババアになってても気にしねぇから、安心して年取れよ」

何か、ヤダな。

安心して年取れよって、何かおかしいでしょ。出来れば若くいたいもん。


「ババアになんかなりませんー。きっと、次にイブと会うときには、あたし超絶な美女になってるから」

「お前のその顔のどこをどうしたら超絶な美女になるんだよ。年取るごとに老けていくだけだろーが」


フッと鼻で笑ったイブは、どうやらあたしをバカにしているようだ。最後だってのに、相変わらずツンデレなんだから。


「イブ、人間界では、レディに向かって年の話しちゃダメなんだぜ、知ってた?」


どこで知ったのか分からないような知識を、ハチが言った。"レディ"だって(笑)

ほんとに、どこで知ったんだか…


「レディ……にね。へぇー、知らなかった。つーか、何でお前がそんなこと知ってんだよ」

「これだけ人間界に留まってれば、知識もつくさ。外に浮いてれば、人間の会話も聞こえてくるし。」


まぁ、300年以上も死神やってれば、そんな変な事を知っててもおかしくないよね。


「あっそ、俺は初めて聞いたけどな。レディって。つーか、こいつがレディっておかしいだろ」

こいつってのはあたしのことか。ひっどいなー、あたしだって一応レディなんだよ、バーカ。
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