たった1ヶ月の恋


「正確に言うと、海の守護霊が厄介。成績2位の俺が降りてきたのに、そう簡単には死なないみたいだしねー……」

さっきの事故のことを言っているんだろう。


「あたしの守護霊って誰なの?」


もしかしたらという期待。

いや、まさかね…


「守護霊、海の両親だよ。10年前からずっと、海の傍にいる。」


そのまさかだった…

10年以上も前に死んだ両親が、まだあたしを守ってくれているなんて…


「想いが強すぎて、並みの死神には手が出せないみたい。」

「うそ…」

「それに…」


続くハチの言葉に、耳を疑った。

「海ほんとは10年前に、両親と一緒に死ぬ運命だったんだよ。」

だったらあたしはどうして生きてるの…?


あのとき、何度も"あたしも一緒に死ねば良かった"と思ったあたしは、何だったの?
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