たった1ヶ月の恋

「二人ともさ、リンゴ以外のものでも食べられるんだよね?」

二人がリンゴ食べて、あたしだけちゃんとした夜ご飯食べるなんて、少し気が引ける。


「うん、食べれる」

「よかった」


フワフワ浮きながらついてくるハチ。よっぽど暇なのか、何をするわけでもなく、あたしの側にいる。


「どうしたの、ハチ」

夕食を作り始めようとするものの、ずっと近くにいられると作りづらい。


「ん?何が?」

可愛いな、おい。

「すぐに終わるから、座ってていいよ」

見られてると逆に作りづらいし。変に緊張してしまう。


「俺も手伝う。暇だし」

楽しいことが大好きなハチからしてみれば、こんな風に大して何もせずに過ごす1日は退屈で仕方ないんだろう。


「じゃあ、手伝って」

あたしがそう言うと、ハチはニッコリ笑って手伝いを始めた。

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