たった1ヶ月の恋

「海、明日からの5日間、俺にくれるんだよね?」

あぁ、そうだった。


「うん、あげるよ」


でも、何で5日間なんだろう?

ハチになら、いくらでも時間をあげたって構わないのに。


「じゃあさ、俺明日、海が学校終わったら迎えに行くから待ってて」


わざわざ、迎えに来てくれるんだ。


「うん、分かった」


ベッドに潜り込むと、ハチも当たり前のように潜り込んでくる。


「ちょっと、何?」

「んー、今日は一緒に寝たい気分なんだよー」


普段なら断る。

けど、ハチの声が、あまりにも悲しそうだったから、断れなかった。


きっとイブがいないから。

悲しそうなのは、いつも一緒にいるイブが、ここにいないから。


「おやすみ…」

「…うん、おやすみ…」

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