たった1ヶ月の恋

「うん、今日はちゃんと起きれたから。それに、見送ってもらったし」

そこまで言って、ハッとした。

"見送ってもらった"だなんて、美弥には言っちゃいけないことじゃない。


「見送ってもらった?え、誰に?」


案の定、聞かれると困ることを聞かれた。

何て、答えよう……


「あー……いや、その…」

美弥はハチのこと知らないんだから、不思議がるのは当たり前。


「あ、あれだよ。ほらっ、うちの玄関に置いてるペンギンのぬいぐるみ! あれに見送ってもらったの」


うそだよーん。←

ペンギンのぬいぐるみなんて、持ってませんけど。ごめんなさい、今は騙されてくれ!


「ペンギンのぬいぐるみなんて、あったっけ?まぁ、いいんだけどさ。あっ、そうそう海さ、今日放課後暇?」


あぁ、一人で納得してくれちゃったのか。よかった…


「ごめん、今日はちょっと用事があるんだー」

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