たった1ヶ月の恋
「何か暗いなー。オーラがどんよりしてる。やめてよー、あたしまでどんよりしちゃうって」
冷たい手であたしの頬をギュッとつねると、ニーッと笑った。
「いひゃい、いひゃい」
痛い、痛い、と言ったはずなのに、ほっぺをつねられているから上手く喋れない。
「んー、びよーん」
びよーんって何だ、びよーんって。
よく分かんないけど、その変な効果音と共にあたしの頬は解放された。
「もー、痛いなー」
ジンジンと痛む頬を思わず擦る。
「ごめんごめん。ほら、早く行こー。遅刻しちゃいそうだよ」
あ、ほんとだ。
結局いつもと変わらない時間になっちゃってる。
「うん、そうだね」
久しぶりに2人で登校ってのも、悪くないかな。