たった1ヶ月の恋

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「じゃあね、海」


「うん、バイバイ」


笑顔で手を振る美弥に、あたしも手を振り返して、人がいないとこまで歩いて行く。


今日の授業も退屈だったな。

ハチも一緒に来ればよかったのに。


「ハチー?」


誰もいないところでハチの名前を呼ぶと


「あれ、もう終わったの?」


と言いながら急に現れた。


「終わったよ。ハチ、もう来てるのかと思ったのに」


心が読めるんだから、終わるタイミングなんて分かるはずなのに。

遠かったから、分かんなかったのかな?


「んー、ごめん。ちょっとボーッとしてたんだ。そんなことよりさ、行こうぜ?」

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