たった1ヶ月の恋


「いいけどさ、ハチ人間には見えないじゃん。あたし一人で歩いてるみたいになっちゃうよ」


「ふっ、俺をなめんなよー? 頑張れば人間にだって見える姿になれるんです!」


何それ、初めて聞いた。

ハチにそんな能力があったなんて…!


「知らなかった…。」


「うん、言ってないもん。あ、でも長時間は無理。あれ体力の消耗激しいから」


あぁ、魔力的なことね。

確かに、普通じゃ有り得ないことだし。そのくらいのリスクがあったって不思議じゃない。


ふとハチを見ると、小さな声で何か呟いていた。多分、死神語。


「ハチ?」


「……ん、よし、行こ」


見た目に、変わったところはない。強いて言えば、いつもとは服が違うけど。

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