たった1ヶ月の恋
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「やっぱ綺麗ー!」
結局、海についたのは昼が過ぎて、夕方になったころだった。夕日が出ていてオレンジ色になっている景色。
「もっと早く着くと思ったんだけどね」
「うん、俺ももっと早く着くと思ってた。でもまぁ、今でも十分綺麗じゃん」
冬だから人は1人もいなくて、広い浜辺にあたしたち2人だけしかいなかった。
ハチはあたしの前を歩いていって、ストンと砂浜に座った。あたしもついていって、隣に座る。
「なぁ海?」
「何ー?」
「左手と右手、どっちがいい?」
ギュッと握られたハチの両手が、あたしの前に差し出される。
「何か入ってるの?」
「うん、当てたらあげる」
楽しそうに笑いながら、ハチは早く早く、なんてあたしを急かす。当てなきゃ、くれないんでしょ?だったら慎重に選ばなきゃ。
うーん、どっちにしよう…
右手……いや、左手?
いや……
「こっち!」