たった1ヶ月の恋

そういう時は、外にいる霊を追い払ってくれてるのかもしれない。


「まぁね、暇だったし。あんまり外にいられると迷惑じゃん?」


確かに。

血だらけの女の人とか、なんか見えちゃいけない人とか見えるのはちょっとね…


「ハチも大変だよね。あたしだったらあんなの相手に出来ないもん」


最近は慣れてきたけど、最初は怖くて怖くて、下を向いて歩いていることが多かったから。


「相手にしてなきゃ海が危ないだろ」


リンゴをかじりながらサラッと言ってのけたハチ。


ほんとにあたしを守ってくれてるんだな…って今更実感。



「ごちそうさま。」


自分の朝ごはんを作っているうちに、ハチはリンゴを食べ終えてしまっていた。



「早いね」


「リンゴだからね」







しばらくすると、またいつものように立ち上がって部屋を出て行く。



また霊退治かな?



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