たった1ヶ月の恋
「うわーっ、直っちゃったよ」
綺麗に元通りになった窓を指で触ってみれば、キューッと音がした。
「このくらいなら普通だって。多分No.5はまた来ると思うし、毎回俺が直してあげるよ」
得意気に言ってるみたいだけど……
あの死神が壊さなきゃいいだけの話だよね。
「多分あんな登場の仕方しか出来ないんだって。許してやって」
毎回窓突き破って入ってくるつもりなのか……
「直してくれるならかまわないけど………あの死神、あたしを殺しに来たんだよね?」
死ぬ覚悟はなかったけれど、どうにかして生きようというつもりもなかった。
ただ、そういう運命なんだから、仕方がないこと。
あたしや、ハチの力ではどうしようもない。だから、あたしは死ななきゃ。
「…海は気にしなくていいって言っただろー……これは俺の勝手な行動だから、全部俺の責任なの。」
ニッといたずらっ子のような笑顔を見せて、あたしの頭をグシャグシャと撫でた。
「あー、髪グシャグシャになるからやめてよー」