たった1ヶ月の恋
病院禁止令
年が明けたある日のこと。ハチが来てちょうど3週間が経ったところだ。
「げほっ………ん゙ん゙…あ゙ー………喉いたいよー…」
年明け早々、風邪を引いてしまった。それも結構辛い感じの。
「大丈夫か? リンゴ食う?それともリンゴジュース飲む?」
リンゴしかないのか?←
心配そうにベッドの横に座ってくれているハチは、さっきから気を使ってくれているんだろうけど……声が頭に響く。
「リンゴも、リンゴジュースも…いらないから、病院行きたい……」
今は何も食べたくない。喉痛いから。頭も痛いし……
「病院は……ちょっと…」
え、あたし死にそうなのに?(笑)
病院連れて行ってくれないって言うの?ハチってばヒドいなー…
「いや、そういうことじゃなくて……俺病院はあんまり好かないっつーか…苦手。」
「……何で?」
あまり喋りたくない。風邪を引くこと自体が珍しいことだから、辛いときどうすればいいのか分からない。
頼れるのはハチしかいない。