たった1ヶ月の恋

血の付いた服を脱いで、新しい服に着替える。相変わらず寒い日が続いていて、室内も気温が低かった。


「寒っ…」

もう一度スッと、首に傷口があった部分を触ってみる。傷は跡形もなく消えていた。

それが不思議で、何度も何度もペタペタと触ってみた。やっぱりハチはすごいや。


今更そう思いながら、リビングへと歩いていく。中からは、ハチとNo.5が話す声が聞こえる。


「ハチー?」

ドアを開けると、まず目に飛び込んできたのはNo.5が窓を直している姿だった。バッチリ目が合う。


お互い無言が続き

先に口を開いたのはNo.5だった。


「何だよ」

無表情でそう言うNo.5は、やっぱり無愛想で、話しづらい。あたしには何を考えてるのか分かんないもん。


「あぁ、窓直してくれてありがとう。No.5が割ったわけじゃないのに、ごめんね。」

割ったのは他の死神だった。No.5は後から来たんだから、全然関係ないのに。


あたしが言った感謝の言葉と、謝罪の言葉を、No.5は聞き流したかのように無視した。


そういえば、No.5って呼びづらいな。何かいいあだ名ないかな。あ、でもNo.5は怒りそうだもんなー…


…………ファイブからとって、イブとか(笑)

いいね、イブ。
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