たった1ヶ月の恋
足早に門を出て、学校から遠ざかる。
「俺先に帰るからね!」
そう言って飛んでいこうとする死神の足をとっさに掴んだ。
「ぬおっ!!」
ベシャッ。
当然死神は落下。
「そろそろいいかな…」
いつもとは違う道を歩いているから、近くに人はいない。
今なら大丈夫だろう。
「あのね死神、よく考えてよ。校内であんたと喋るのは、周りから見ればあたしが独り言を言ってんのと同じなのよ。」
「あ、喋った」
道路に寝ころんだまま、あたしを見上げる死神。
「そっか、そうだよな。」
「分かったら早く連れて帰ってよ。あたしの家まで飛んで。」
「はいはーい」
朝と同じ様に、再びあたしを抱えて飛んだ。