たった1ヶ月の恋
校長が話を初めて約10分。ようやくその長い話は終わり、始業式も終了した。
「起立、礼」
再びガヤガヤと賑やかになる体育館を、美弥と一緒に人を避けながら出る。
その後ろから、ハチとイブも浮きながらついて来ていた。
「始業式って長いんだな」
欠伸をしながらそう言うハチの後ろを、不機嫌顔のイブが浮いている。
始業式が長いのは、きっとあの校長の話が長いからだろう。誰も聞いてないのにさ。
「ほんとだよな。俺周り見渡してみたけど、生徒はほとんど寝てるし、教師まで寝てるやついたぜ。」
あらら。とうとう教師にまで寝てるやつが出てき始めたんだ。校長ダメじゃん。
教室につくと、みんなはもう帰る支度をしていた。あたしも自分の席に行って帰る支度をする。
「海ー、下まで一緒に行こ」
すでに支度を終えた美弥が、鞄を持ってあたしのところに走り寄ってくる。
「うん、ちょっと待って」
あたしが準備をしている途中にも、ハチとイブは美弥をジーッと見ていた。そんなに気になるか。