自閉症児光の夢、それは働く人になりたい
もしかしたら、何かの理由で電車に乗り遅れたのかも知れない。


19時まで待つ事にしたが、光が帰る様子はなく携帯を持っているのに、何度かけても繋がる事をなくて。



19時過ぎに、ステップの専務理事の森山さんの携帯にかけて、光が何時頃ステップを出たのかを聞くと。



「光君は日誌を書きに戻り、16時半にステップを出ました。」



「光君はまだ帰ってないのですか?」



森山さんには光が見つかったら、必ず連絡下さいと言われた。



二男も仕事から帰り、3人で光を探す事にした。



「母さん、僕が光を探すのは何回目だろ。」



二男がそう言って笑う。



本当に何回目だろね。



光が3才ぐらいの時に、ディズニーランドで迷子になった時は本当に焦った。



あの広い中自分の名前も言えない光を、どうやって探せばいいのだろうかと。



あの時も何処にいるか分からない光を、二男の薫が探し当てた。


あの時の事は、多分一生忘れられないと思う。


二男の薫は、光の行動を全て把握しているのだろうか。


薫と光は一才半しか年が違わないと言うのに。


薫が俺が光を育てたと言う事が、あながち間違いではないと思えた。




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