自閉症児光の夢、それは働く人になりたい
お父さんはとにかく凄い人で、いつでも物事を冷静に考えられるのだ。


人の悪口を絶対言わない人。


「瑛も、薫も、勿論光も大切な我が家の子供だ。誰が可愛くて誰が可愛くてないとかじゃないんだよ。ただ光は自分の事がまだやれないから、母さんが手を貸してるんだよ。みんなで光を応援しような。」



瑛も、薫も頷いてくれた。



ありがとう、お父さん。



それからはお父さんの協力が半端なくて、家事までこなしてくれるようになったのだ。


私は主婦なのに、料理は得意ではない。


父さんの作る料理は絶品で、子供たちは大喜び。


光はことばの教室に楽しく通い、友達と少しだけ関わる事も出来るようになっていった。


このまま上手く行くと信じて疑わなかったのだが、やはりそんなに甘くはなかったのだ。


















< 17 / 209 >

この作品をシェア

pagetop