自閉症児光の夢、それは働く人になりたい
総合病院に着くと今は休憩時間なので、暫くお待ち下さいと言われるが。


暫くってどのくらい待てばいいのだろうか。


光はずっと泣いてるし、もう二時間近く待っていた。


看護師さんから、渡されたナイロン袋に氷が入った物を光のお腹にあてると、光が泣き止んだ。


光を膝に抱いて診察の椅子に座ると、若い医師がいた。


その医師はこちらを向くと、光がお腹にあてていた、ナイロン袋をいきなり剥がす。


光のお腹の皮が破れ血が吹き出た。


光が泣き叫ぶと、その医師はうるさい泣くな!と言っのだ。


もう限界だった。


二時間も待って火傷もろくに見ずに、いきなりそんな事をする医師。


痛いから泣くに決まってるのに、あなたはそれでも医師ですか。


私は光を抱き締め診察室からでようとすると、その医師が、どこの病院へいっても皮膚移植しかないといわれますよ、と言われたが。


私は無言のまま診察室を出た。


こんな医師に見てもらいたくない。





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