自閉症児光の夢、それは働く人になりたい
光は周りの環境に恵まれていたと思う。


鼓笛隊の小太鼓は大人気でみんなもやりたいのに、光が小太鼓を叩きたいと言うと、みんなが光にやらせてあげようと言ってくれたらしい。



みんなが光を応援してくれている、だから最後まで諦めないで頑張ろう。



その日、私は光の小太鼓の練習を見学して、光に見つからないように家に帰った。


参観会でさくら組の父兄が集まった時、担任の先生が光の話をし出したので、ドキドキしながら聞いていた。


松田先生は光がいる事で、子供たちが優しい気持ちになれる事。


喧嘩ばかりしていた子が光に止められて、喧嘩をしなくなった事など、光の存在がさくら組に良い影響を与えていると言ってくれたのだ。



もう涙が止まらない。



今まで光の存在が否定される事が多かったから、本当に嬉しかった。



でも、多分それを良く思わない父兄もいたはず。



もう、そんな事は気にしていられない。


前に向かって又進んで行くしかないのだから。






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