殺し屋M
サユリは、鞄から今回の計画書を出そうとした。
Mはそれを止めて言った。
「そんなのはいいんだ。
ターゲットが一人になる時間はいつでその時に殺れる状況かと逃走経路の確保だけだ。」
サユリは、分厚い計画書をしまいながらMに言う。
「それだけですか?
相手は、去年の三冠王ですよ。
プロ野球界で今最も有名な選手ですよ。
今年も三冠王間違いなしで来年はメジャーに行くと言われているバッターです。もっと慎重になるべきではないんですか?」
「三冠王?メジャー?三冠王は今は名古屋で偉い人になってるじゃないか。あれを殺るのか?」
「はぁ?そりゃ昔の三冠王でしょ?谷川謙二。ジャイアントのタニケンですよ。」
「ほう~そりゃ知らなかった。
そのタニケンを殺るんだな。サユリちゃんしかし怒ると更に可愛い。」
サユリは、もう一度ストレートを放ちかけたがやめた。