殺し屋M
決行

決行の日は打ち合わせの日から二日後だった。

ちょうど期限の十日目だ。


Mとサユリは、古いマンションの下で夜の八時に集合した。


サユリは、髪をショートにしていた。

かなり古いマンションで十階建てだが、入居者は少ない。



これは、谷川謙二の父親の持ちビルで、賃貸で貸しているらしい。



谷川謙二の父親はかつては、あちこちにビルや店舗を持つ不動産屋だったが不景気の煽りを受けて今は、このマンションだけで妻と二人でこのマンションに住み細々と暮らしてるらしい。


Mとサユリは、黒いジャージ姿で素早くマンション内に入りエレベーターは使わずに階段で十階までに上がった。


Mは、老人とは思えないスピードだった。


右足を多少引きずるがサユリは、付いていくのに必死だった。


ジャージや全ての物の買い方もMに習ったとおりにした。

Mは、身長も変えていた。


サユリよりも高くなっていた。


シークレットブーツを履いているのだ。

サユリは、Mの用意周到な所に驚き見直した。


そして、これからどうなるのかに対して興奮も覚えた。

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