殺し屋M

四日間毎日軽いジョギングと腕立て伏せ腹筋背筋を、少しずつ数を増やしながらやって行く。


腕立て伏せは、今は五百回までは、出来るようになっていた。

ジョギングの距離や背筋の回数も少しずつではあるが伸びた。

普段の努力の下地があるからだろう。


しかし、五日目にジョギングをしていて段差を軽く跳ぼうとして右足首をひねった。


Mは、道に座り込んでニヤニヤする。


「痛いなあ。まぁテーピングで固定してジョギングからウォーキングに変えたらいいか。」


六日目からは、ウォーキングに変えた。

腹筋背筋も、無理しない程度にする。


本当は、無理をしたいがMは我慢した。

ここで無理をしては仕事に差し支えるからだ。


七日目のトレーニングを終わってシャワーを浴びる。


殺風景な部屋には似つかわしくない大きな姿見に全身を映す。


鍛えあげられた身体が見事な彫刻のようだ。


押し入れから新しいジャージと目刺し帽子を出す。


どこにでもある大量生産品だ。



東京の量販店で買った物で大量過ぎて警察は、特定出来ないだろう。


それも一年ほど前に買っている。


違う量販店で買ったブーツ用の長い靴紐と軍手も取り出す。


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