殺し屋M
Mを名乗る男はニヤニヤした。
「しかし、美人だなあ。いくつかな?おっとそういうのは聞いちゃダメだな。」
サユリは、右ストレートを軽くMを名乗る男に放った。
ゴン鈍い音がして、見事にヒットした。
Mは、ニヤニヤ笑いを更に激しくして鼻血を出しながら言った。
「いいなあ。サユリちゃん。いいよ~。」
Mは、ゆっくりポケットからハンカチを出して鼻を押さえた。
コーヒーが来た。
Mを名乗る男は大事そうに、コーヒーをすすりながら言った。
「信じられないのは分かるがMだ。
仕事をすれば分かるよ。
それに、あの堅いボスが、こんなイタズラするかね。
しかし、ボスも少しダイエットしなきゃなあ。身体に悪いよ。」
サユリも確かにそうだと思った。
こんなイタズラはボスはしない。
それにボスが太っている事も知ってるいる。
サユリは、一応この老人をMと認める事にした。
サユリにはそうするしかなかったからかも知れない。