To.カノンを奏でる君
入るとウェイトレスが出迎えてくれた。
「何名様でしょうか?」
「あ、待ち合わせしてるんです。相手はもう中に」
「かしこまりました。どうぞ」
歩みを進めると、奥の席で手を振る美香子の姿を見つけた。
「美香子ちゃん」
「ごめんね、急に呼び出しちゃって」
「ううん」
花音が席に着くと、ウェイトレスが説明する。
「メニューはそちらにございます。ご注文がお決まりになられましたら、そちらのブザーでお呼び下さい」
「はい」
花音が返事をすると、ウェイトレスは頭を下げ、下がって行った。
「さ、花音ちゃん。好きなの頼んで。私のおごり」
「え? いいよいいよ、気を遣わなくて」
「大丈夫。社員割り利くから」
「え?」
「私、ここでバイトしてるの」
「えぇ?! そうだったの?!」
「そうだったの。何食べる?」
「えっと、じゃあティラミスケーキで」
「私は抹茶ケーキ」
ブザーを鳴らすとすぐ、ウェイトレスがやって来る。
「立科さん、ティラミスケーキと抹茶ケーキをお願いします」
「かしこまりました。お友達?美香子ちゃん」
「デートです」
「あらあら。少々お待ち下さいませ」
立科と呼ばれたウェイトレスは笑顔で去って行った。
二人のやり取りを見て、美香子は本当にここの従業員なのだと花音は改めて思う。
「言ってくれれば遊びに来たのに」
「やだ、制服姿なんて見られたくないもの」
「あははっ」
「何名様でしょうか?」
「あ、待ち合わせしてるんです。相手はもう中に」
「かしこまりました。どうぞ」
歩みを進めると、奥の席で手を振る美香子の姿を見つけた。
「美香子ちゃん」
「ごめんね、急に呼び出しちゃって」
「ううん」
花音が席に着くと、ウェイトレスが説明する。
「メニューはそちらにございます。ご注文がお決まりになられましたら、そちらのブザーでお呼び下さい」
「はい」
花音が返事をすると、ウェイトレスは頭を下げ、下がって行った。
「さ、花音ちゃん。好きなの頼んで。私のおごり」
「え? いいよいいよ、気を遣わなくて」
「大丈夫。社員割り利くから」
「え?」
「私、ここでバイトしてるの」
「えぇ?! そうだったの?!」
「そうだったの。何食べる?」
「えっと、じゃあティラミスケーキで」
「私は抹茶ケーキ」
ブザーを鳴らすとすぐ、ウェイトレスがやって来る。
「立科さん、ティラミスケーキと抹茶ケーキをお願いします」
「かしこまりました。お友達?美香子ちゃん」
「デートです」
「あらあら。少々お待ち下さいませ」
立科と呼ばれたウェイトレスは笑顔で去って行った。
二人のやり取りを見て、美香子は本当にここの従業員なのだと花音は改めて思う。
「言ってくれれば遊びに来たのに」
「やだ、制服姿なんて見られたくないもの」
「あははっ」