To.カノンを奏でる君
「草薙」
「あ、うん。じゃあみんな、来月落ち着いたら一度帰るから」
「気をつけてね。あと、応援してる」
「ん、ありがと。美香子ちゃんも、」
花音は美香子の耳許で囁く。
「頑張ってね。直ちゃんは一筋縄では落ちないよ?」
「っ?! 花音ちゃん!」
「あははっ」
「ノンノン。初恋成就、おめでとう」
「うん、ありがと。直ちゃんのお陰だよ」
「アタシは、どんな事があってもノンノンの味方よ」
「分かってる」
美香子や直樹と挨拶を済ませ、花音は祥多を見つめた。とびきりの笑顔を向けると、祥多も笑顔で花音を見つめる。
「気をつけろよ」
「うん」
「じゃ、行ってこい」
「行って来ます!」
花音は大きく手を振り、早河について改札口を通って行った。
残った三人は見えなくなるまでその後ろ姿を見つめ、二人の健闘を祈る。
「私達も頑張らなきゃね」
「ええ。負けてらんないわっ」
「んじゃ、行くか」
二人は祥多の言葉に頷き、歩き出した。
「そういや葉山、これからどうすんだ?」
「美容の専門学校行くの。メイクアップアーティストとか憧れてて」
「葉山らしいな。直はスタジオか…」
「ええ! アタシ今めちゃくちゃ燃えてるわ!」
「ハイハイ。あ、俺さ、高校行くのやめて大検受けようかと」
「そういえば、それもありね。タータン頭良いから大丈夫じゃない?」
「いや、全然高校の勉強してねぇから何とも…」
「祥多君なら大丈夫だよ」
「サンキュ、葉山」
「ちょ、アタシと扱い違う!」
「うっせぇな」
「何よ~っ」
「くすくす……」
そうして、彼らもまた、それぞれの未来に向かって一歩を踏み出した──。
「あ、うん。じゃあみんな、来月落ち着いたら一度帰るから」
「気をつけてね。あと、応援してる」
「ん、ありがと。美香子ちゃんも、」
花音は美香子の耳許で囁く。
「頑張ってね。直ちゃんは一筋縄では落ちないよ?」
「っ?! 花音ちゃん!」
「あははっ」
「ノンノン。初恋成就、おめでとう」
「うん、ありがと。直ちゃんのお陰だよ」
「アタシは、どんな事があってもノンノンの味方よ」
「分かってる」
美香子や直樹と挨拶を済ませ、花音は祥多を見つめた。とびきりの笑顔を向けると、祥多も笑顔で花音を見つめる。
「気をつけろよ」
「うん」
「じゃ、行ってこい」
「行って来ます!」
花音は大きく手を振り、早河について改札口を通って行った。
残った三人は見えなくなるまでその後ろ姿を見つめ、二人の健闘を祈る。
「私達も頑張らなきゃね」
「ええ。負けてらんないわっ」
「んじゃ、行くか」
二人は祥多の言葉に頷き、歩き出した。
「そういや葉山、これからどうすんだ?」
「美容の専門学校行くの。メイクアップアーティストとか憧れてて」
「葉山らしいな。直はスタジオか…」
「ええ! アタシ今めちゃくちゃ燃えてるわ!」
「ハイハイ。あ、俺さ、高校行くのやめて大検受けようかと」
「そういえば、それもありね。タータン頭良いから大丈夫じゃない?」
「いや、全然高校の勉強してねぇから何とも…」
「祥多君なら大丈夫だよ」
「サンキュ、葉山」
「ちょ、アタシと扱い違う!」
「うっせぇな」
「何よ~っ」
「くすくす……」
そうして、彼らもまた、それぞれの未来に向かって一歩を踏み出した──。