恋々綴り。【短編集】
#15
目の前にいる彼女は観覧車の外を目をキラキラと輝かせて「うわぁー」と歓声をあげている。
優菜は夜景好きだもんね。俺は少しドキドキしてる。
「ねー正君、綺麗だよ!!こっちおいでよ」
ウェルカム、と言わんばかりに隣の空いたスペースをべしべし叩く。
こっちがどんな気が知らねぇよな。ポケットには申し訳ないけど、手汗まみれのネックレス。いつ、渡そうかってさっきから考えていたらもう頂上。
「ねー…「あのさっ」
遮ってしまって、優菜が不思議そうに首を傾げる。
「これっ…」
うわ、俺、かっこわる。
そのまま差し出す馬鹿がいるかよ。
優菜はあれだぞ、「彼氏欲しい?」って聞いたら「ラーン大佐がいるからいらない」って本気で言う奴だぞ!!どこ行きたいって聞いたら「二次元」って即答した女だぞ!!
「くれるの?」
こくり、と頷けば笑って
「好きな人からプレゼントもらうなんて幸せ」
なんてサラリと言って、俺に抱きつくから真っ赤になって固まったのは言うまでもない。
Fin