恋々綴り。【短編集】

#17



 108。
 ずっと、探していた。
 だって、だって。

 アイツはあるの。
 アイツを好きなあの子もある。

 向こうで、受験番号、二人で持って嬉しそうにキャイキャイ言っている。


 悔しい。

 付け入る隙なんて全くなくて。



 隣にいた、塾の先生がポンと優しく頭を撫でてくれて涙が一筋流れた。



 悔しさと、悲しさ。



 どっかに行って今だけは。




Fin
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